2019年10月28日月曜日

美しすぎる映像がすばらしい『アーロと少年』

今週末も、夕食まで時間があったので家で映画。子供も見れそうな映画を探してたら出てきた『アーロと少年』。3歳息子に「見たい?」ときくと、「やだ」とこたえましたが、「恐竜が出てくるみたいだよ?」というと、「みる」とのことで見てみました。

映像が綺麗すぎる

まず、川、植物、水、山、空等の景色の映像がめちゃくちゃ綺麗で驚きました。出てくるキャラクターは全然リアルじゃないアニメのキャラクターなんです。だけど、川の水とか、植物の葉っぱとか作物がアニメじゃなくて本物の映像なんじゃないかってくらい綺麗なんです。パソコンのデスクトップとかで景色の綺麗な画像くらい綺麗でした。

ストーリーはありがち?

話しは見てて飽きないで見れました。なんとなく『ライオンキング』と共通点あるかな?と思いました。父親の死、弱さを克服、家に戻ってくる等。最後、アーロが家に帰ってきた時に、お母さんが死んだ夫と見間違えて夫の名を呼ぶのも、ライオンキングのシンバが帰ってきた時にお母さんが「ムファサ?」と間違えるのと同じでした。

見ててニヤリとしたのが、この映画を終始真剣に見ていた息子。面白かったのか次の日もこの映画を見ると言いました。見せていると、鳥に餌をあげるアーロが鳥を怖がる前のシーンやスポットが罠にかかったけど暴れるシーンで「怖い」と言って別のことをしていた私を呼び寄せてきのです。怖がりのアーロと息子がリンクしました。
家から遠く離れてしまったシーンのあとは「お母さんは?」「お母さんはどこにいっちゃったの?」と何回も聞いてきて、アーロに感情移入してるのも見ててかわいかったです。

恐竜好きの子は喜ぶかも

あとこの映画の良かった点は、キャラクターが恐竜ということ。息子は今恐竜ブームで寝る前の絵本に恐竜図鑑を毎日持ってくるくらい。なので、「ステラコサウルス!」「ティノサウルス!」と喜んだり「ステゴサウルスでてくるかな?」と言いながら見ていました。そこまでたくさんの恐竜が出てくるわけではないのですが、恐竜好きの子供に見せたら反応はいいかもしれません。

Amazonでレンタルして見たのですが、もし息子がまた見たいと続けていったら買おうかなーと思ってます。

2019年10月24日木曜日

歌とダンス(だけ?!)が魅力の実写版『アラジン』

週末の午後、15:00すぎくらいで天気が悪くて今からでかけるのもなーっていうときに子供と一緒に見るにはぴったりのディズニー映画。実写版『アラジン』がAmazonでレンタル開始になっていたので見てみました。

暇つぶしにはよかったけど...。正直まあこんなもんかなという感じ。
なんでこんなに響かないんだろうと考えていて思い出したのです。自分が子供の頃にディズニーアニメの方の『アラジン』は好きじゃなくむしろ嫌いだったなということを。子供ながらに、ジーニーの力を使って王様になったアラジンにも共感できなかったし、恋愛が全面的に出てくるストーリーといった感じも好きじゃなかったんですよね。

ジャスミンが国王になりたい?

そして、今の時代に合わせてジャスミンが国王になりたいという設定にしたんでしょう。だけど、結局アラジンのストーリーって結婚相手を見つけるというのがテーマになってるんですよね。時代にあわせて頑張ったけどなんか面白くなかったんですよね。ジャスミンが、国王になるために勉強してきたみたいな設定だったけど、勉強ができればいいってもんでもないし...。自分のやりたいことを目指す現代の女性だったら、『モアナ』とか違う新しい映画の方がストーリーもしっくりくるし、見てて楽しいです。

アニメとのイメージが...

アニメだとジャスミンがキリッとした目力があってというイメージだったけど、実写版ではタレ目で美人さんでした。そしてなによりも歌うますぎでした。けどアニメのイメージが強すぎてチャット違うかなーっと感じました。

そしてジャファー。アニメではねちっこいおじさんがかっこよくなってました。

アラジンは残念ながら実写版だと存在感薄いです。顔はかっこいいんだけど、ジャスミンの女優さんにくらべると歌もそこまでうまくない?演技もすこし微妙。
ジーニー役のウィル・スミスやジャスミン役の女優さんの方が存在感強すぎて、『アラジン』っていう題名よりも、『ジーニー』って題名のほうが良いんじゃないか?って思ってしまいました。

歌とダンスは凄い

上述のように、『アラジン』のストーリー自体好きじゃなかったので、響かなかったわけですが、歌とダンスのシーンは「お!」っとなりました。特にダンスのシーンはアニメでは表現できない部分なので、エンディングで最後みんなで踊るシーンも、見入ってしまいました。

それにしても、最近ディズニー映画の実写化が次々とされてますね。ライオンキングとかまだ見てないけど。リトルマーメイドも実写化されるそうだし。
ライオンキングもアニメの方は好きだったけど、実写版どうなんだろう。あんまり興味ないなあ。。でも子供といるときにみる映画としてはディズニー映画手軽でいいんですよね。


2019年10月15日火曜日

Breaking Badのその後を描いた「エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE」を見ました

先日公開されたBreaking badのその後を描いた「エルカミーノ: ブレイキング・バッド THE MOVIE」を見ました。

以下ネタバレ注意

言いたいことはたくさんあるけど、まずは良い点から。

1. テンポある展開でハラハラドキドキ

Breaking badのときのスピード感は健在でした!!Breaking badの最終話の直後から物語がスタートするのですが、ジェシーが逃げてきて喜んでるのもつかの間、警察車両のライトが前方に見えてサイレンが聞こえて・・・。Breaking badのときもそうだったけど、視覚的にドキドキさせるのがさすがです。
ジェシーがトッドの家の中で金を探してる時に警察がやってきたり、溶接会社のところに乗り込みにいったりと、ドキドキするシーンが散りばめられていて、楽しめること間違いなしです。

2. トッドというキャラクター

Breaking badのときもそうだったけど、キャラクター設定が最高すぎる。
特にトッドの不気味な感じがかなりうまく描かれていました。車で気持ち良さそうに窓開けて手をだして歌う、殺した家政婦の首からベルトを戻す、余裕にもスープいる?と問いかける、不気味なパステル調の家、ジェシーが銃を手にした時の妙な落ち着きなど。。
印象に残る人物を描けるのがさすがだなと思わされます。

3. あの人そしてあの人も!

ファンには嬉しいことに、Breaking badでのおなじみの人物達が回想シーンで出てきます。そしてまさかのウォルターも!!映画版には出ないとおもっていたので嬉しすぎでした。

少々がっかりだった点は・・・

1. トッドの激太り

ジェシーもだけど、トッドの太り方がやばすぎて、これは時系列的におかしいでしょ!って思いました。老けるのはしょうがないけど、もうすこーし頑張って欲しかった・・・。

2. 避けられない時の流れ

ジェシー、ウォルター、スキニーピート、バッジャー、ジェーン等が出てきて嬉しい反面、Braking badを見てた頃は、それぞれが役そのもので神がかってました。なぜかドラマをやってたころの勢いがもう役から感じられなくなってしまいました。そもそも見た目が変わってしまったというのもあるかもしれません。昔は演じてる役の人物にしかみえなかったのですが、今はその役を演じてるようにしか見えなかったのがただただ残念でした。全ての役に対するエネルギーはドラマの中で使い果たされたように感じてしまいました。
時は流れてしまったのだなと感傷的になってしまいました。


最後の結末は、Breaking badの終わりにジェシーには頑張って欲しいと願っていたのでよかったと思う反面、少々うまく行き過ぎ?とも思いました。ストーリー展開の好き嫌いは意見が別れるかもしれませんが、Breaking badファンにしてみれば諸々と楽しめる映画だと思うのでおすすめです。ドラマをもう一度見直したい気分になりましたが、時間がないためここはぐっと堪えます。

"#Metoo"運動のきっかけとなったハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ問題記事の裏側を書いた“SHE SAID”を読みました

ナタリー・ポートマンのインスタでこの本が紹介されていたこの本。気になったので調べてみるとハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ問題を明らかにした女性記者(Jodi Kantor, Megan Twohey)がその背景を本にしたものだということで読んでみました。この記事をきっかけに"#Metoo"運動が広がったといえばわかる人も多いのではないでしょうか。

普段洋書を読むときは英語なので日本語を読むよりは時間がかかってしまいます。だから面白くないと途中でやめてしまうこともしばしば。しかしながらこの本は早く続きが読みたい!という感じで、やめることができませんでした。読んでて映画を見てる感覚になりました。

- 以下ネタバレになります-

はじめは誰もワインスタインからのセクハラ被害について話そうとしなく、行き止まりのように見えたのが、調査を進めるにつれて明らかになってくる事実に驚愕させられます。ハリウッドにコネがない記者が調査をすすめて最終的にアシュレイ・ジャッドやグウィネス・パルトローからの証言を得ることができたわけですが、仕事に対する姿勢とかもすごいなと感心しました。本の中で出てくるRebecca CorbettというエディターがThe wireを製作したDavid Simonのメンターだった人で、ドラマの最終シーズンの男性の編集者が出てくるのですがそのモデルになった人で実は女性だったと言う点も書かれてて、The wireのファンとしてはニヤリとしてしまいました。それから、記者たちが女優たちに対する印象とかも率直に書いてあってなかなか面白かったです。例えば、「GIRLS/ガールズ」のレナ・ダナムを紹介されたけど、慎重に調査を進めないといけない中、彼女は秘密を守れそうな印象を持ってなかった、などなど。

それにしてもワインスタインの卑劣な手口もびっくりさせられますが、ワインスタインの会社が従業員に対するワインスタインのセクハラ(というかわいせつ)行為を防ぐために全く機能していなかったこともわかります。そして、イスラエルの諜報エージェントを使って、記事が表に出ないように手をうとうとするあたり、もう映画ですよね。
また、フェミニストで女性の人権の弁護士であるLisa Bloomがワインスタイン側についていてそのメールなども暴露されているのも見ものです。
記者たちとハーヴェイが対峙する場面。ハーヴェイからの脅しに対して編集長であるDean Baquetが子供を諭すように言い放つ言葉が痛快すぎて、読みながら声を出して笑ってしまいました。もう、ここも映画でしょって。

それから、この本で感心させられたのは、さすがはジャーナリストだけあって、物事が公平にかかれてるように思えました。例えば、民主党、共和党のどちらの政党にも偏った姿勢で書かれていないという点。「ガラスの天井を破る」として大統領選を戦ったヒラリー・クリントン は女性の味方であるように見えます。しかし、もともと噂にあったセクハラ疑惑のためワインスタインをファンドライザーとして頼るのをやめるように支援団体に忠告してたけど、この問題が公になってから問題にショックを受けたと表明したこと。また、夫のビル・クリントン がセクハラ疑惑が出てきたときに相手女性の汚点を探るために私立探偵を雇ってたこともわかります。

また、女優や元従業員等被害にあった女性たちが自分の名前を公表して記事にするまでの躊躇や恐怖も丁寧に書かれています。そして、彼女たちが勇気を持って公表したことで、世間も反応して、"#Metoo"運動にまで広がっていきました。心理的に公にしたくないセクハラや性暴力の被害にあった人が勇気を持って公表することで、多くの人が被害にあっていたことが明らかになりました。これもこの記事のおかげかなと思います。

"#Metoo"Movementまでに広がってめでたしめでたしじゃなく、未だ解決されていない課題も書かれてたりして、(例えば、どこまでがセクハラなのか?会社でやあ!と触ったらセクハラなのか?といった、境界線を引くのが難しく起こった事実が把握しにくい点)、今後この動きによって、法や会社のコンプライアンスの整備がすすめば良いなと思いました。

久々にであったオススメの一冊です。ぜひ読んで見てください。