2019年9月20日金曜日

ありそうでなかった「ザ・ボーイズ」が面白い

普段、スーパーヒーローや特殊能力を持った人の海外ドラマとかを見ても結局つまらなくて一話とかでやめてしまうのですが、「ザ・ボーイズ(The boys)」は面白くてシーズン1全て見てしまいました。

スーパーヒーローが出てきてというと、なんか世の中にたくさんある海外ドラマの一つかと思ってしまうのですが、このドラマはそういう悪い期待をいい意味で裏切ってくれて、ありそうでなかったドラマでした。

まず、主人公のヒューイーの彼女が無残にも殺されてしまったのが、「お、普通のドラマと違うぞ」となりました。それから、メインのキャストであろうアニーが酷いセクハラを受けた後、普通のドラマだったら、すぐに反撃してとなるけど、それを飲み込んでそのままスーパーヒーローを続けなくてはいけない点。それ以外にもスーパーヒーローの腐敗が酷いことを過激に描いています。
適役の腐敗っぷりを描いたドラマはあると思いますが、世間のみんなから崇拝されている人たちの腐敗と言う点がなかなか面白いです。

また、個人的にフレンチーというキャラクターが好きで、はじめ出てきた時はすぐに殺されそうだなと思ったのですが、なかなかユニークなキャラクターをしていて見ているうちに好きになってきました。

この後シーズン2が作られることが決まったようですが、どのような展開になってありそうでなかったドラマ感をキープし続けていくのか楽しみです。

2019年9月18日水曜日

Netflix の「アンビリーバブル たった一つの真実」を見ました

世の中にドラマは沢山ありますが、ほとんどが、あー見ちゃったけどつまらなかったな、時間を返せ!と思うのですが、これは数少ない良いドラマの1つでした。みんな見て!と思うほどよく出来たドラマでした。以下はネタバレになるので、まだ見てない人はご注意を。

話は、マリーというレイプ被害を受けた少女が、その後警察からの被害の聞き取りで矛盾点があると指摘され、被害の報告は嘘だったと証言を撤回する。その後、他の地区で発生したレイプ被害がマリーが被害にあった時の状況と酷似しており、、、というもの。
被害にあった直後からの状況を描くマリーの話と、その3年後に2人の女性刑事が連続レイプの事件解決に取り組む話が並行して描かれてます。びっくりすることに、本当にあった出来事がベースになっているそう。

このドラマの何が良いかというと、被害者が陥る困難がリアルに丁寧に描かれてること。よく、性犯罪者は、被害にあった後も被害を受けるということをききますが、それがどういうことなのががよくわかります。
まず、被害直後に警察官がやってきて、大丈夫?とか声をかけるでもなく、淡々と被害の詳細をその場で聞き取りを開始します。この描写がみててずっしりきます。かなり恐ろしいことをされた直後に被害にあった場面を思い出さなくてはいけない。そして次に来たこの事件を担当する刑事にまた同じことを繰り返し言わなくてはいけない。次に病院に行って、病院の記録のためまた被害の状況を言わなくてないけない。そのあと、警察署でまた被害の状況をはなしたあとに、また紙に自分の言葉で被害の状況を書けと言われる。
それを言うたびに被害者は自分の身に起きた恐ろしい出来事を思い出さなくてはいけないわけで、みててつらくなりました。

このシーンと対照的に描かれるのが、女性刑事のデュバルが事件の現場に駆けつけてレイプ被害女性に聞き取りをする場面です。
被害者を気遣って、質問する際も事件のすぐに聞くほうが情報が正確だという研究があるから、説明をきちんとする。証拠は、事件の現場、犯人の体、そして被害者の体に残るから、証拠を集めて良いかと説明した上で収集する。話してくれた被害者への感謝も伝え、病院にもつきそう。被害者への配慮が見られます。
対応する刑事によって、被害者が何重にも苦しめられる様子がわかります。

また、被害者が受ける困難以外にも、いかに少しのことがきっかけで、捜査が簡単に間違った方向にいってしまうがも描かれてます。
今回は被害にあったマリーが買い物に行くときに、ベットのシーツが前のものがいい!と言い張ったり、メソメソ悲しい様子を見せてないことから、義理母たちがおかしいと思うようになって、、。そして、マリーが過去に虐待を受けていたということも含め、刑事はバイアスがかかった目で嘘をついているということを前提で話を進めてしまいます。そして、なんとマリーは嘘をついたことで、処罰されてしまいます。話の中で出てくる弁護人に合わせると、だれも被害にあってないのに処罰されるケースは珍しいとのことでした。悪いことをした小娘を懲らしめてやろう的な意識が無意識的にあったのかもしれません。刑事のしたことは、レイプ犯と同じくらい罪なことですね。

日本でも、よく痴漢をふくむ性犯罪のことになると、冤罪とか合意があったはずという話になってしまうけど、なんのメリットがあって嘘をつく人がいるのという感じです?本当にあったと考えるほうが自然だよねと思ってしまいます。

それにしても、捜査をする女性2人の刑事がかっこいい。周りのチームが最高にいいです。このチームを見てると、普通のドラマでメインの役どころの白人男性がでてきません。チームの中心はこの女性2人の刑事だし、インターンの人はインド系のような風貌だし、アジア系っぽい女性、科学捜査の人にはBreaking badでウォルターに殺されてしまうKeazy8役の人が出てきたり。マイノリティーで構成されてるようです。これも製作した人が意図的にしたのかな?

犯人が狡猾で決定的な証拠がなく、残ったものも行き詰まりに見える中、犯人を見つけ出すのは見てて本当にすっきりします。

それから、番組が始まる前に、Warningが出てきますが、被害者が思い出す時に一瞬出てくる描写がリアルでそれだけでも恐怖なので、過去にトラウマとかある人やそういうのが苦手な人は、気をつけた方が良いかもです。ただ、性犯罪の被害者が陥る困難がわかる上質なドラマなので、多くの人に見てもらいたいと思いました。



2019年9月5日木曜日

女性たちが素晴らしく惹き込まれる「ビッグ・リトル・ライズ」

結構前にAmazon Primeでシーズン1をみて、かなり面白かったドラマです。

あらすじは、富裕層の地域に住み、子供を同じ小学校に通わせる母親たちをめぐるいざこざやそれぞれの母親たちの秘密が徐々に明らかになってくるのを描いています。おせっかいな金持ちの母親マデリン(リース・ウィザースプーン)と引っ越してきたシングルマザーのジェーン(シェイリーン・ウッドリー)は子供の小学校入学校初日に仲良くなります(仲良くなるというかマデリンがグイグイと仲良くなってくる)。その後、マデリンの親友の元弁護士のセレステ、マデリンとお互いに嫌いあってるバリバリのワーキングマザーのレティーナ(ローラ・ダーン)、マデリンの元旦那と結婚してるボニー(ゾー・クラビッツ)といった登場人物がからみあって、殺人事件が起こるまでになにが起きたのか?を描いています。以下にこのドラマの魅力をあげます。

1. 豪華女優陣たちの共演と演技

リース・ウィザースプーンやニコール・キッドマン、ローラ・ダーンといった有名女優たちがドラマで共演しています。そして、演技がすごい。リース・ウィザースプーンはマデリンという母親役を演じているのですが、まずドラマを見はじめてすぐにこの演技にひきこまれました。気さくでみんなに愛想いいけど、ズカズカと人のテリトリーに入っていく感じで自分の思ったことを口にしてしまい、味方にしたら最高だけど、敵に回したくないというタイプの性格。みてて、あーこういう人いるいる!って感じで、それがすごい自然。ニコール・キッドマンは上品で大人しめで何か秘密を抱えてそうな感じ。バリバリワーキングマザーのかなり主張が強いレティーナ。母親たちの個性が全員バラバラで、かなり面白い。なんていうか、ジャンルは違うけどセックスアンドザシティを見ている感じです。年も年齢も雰囲気も違う母親たちが仲良くなったり敵対したり歩み寄ったりという様子が描かれています。

2. 誰が加害者で誰が被害者なのか?というミステリー要素

ドラマは誰かが寄付を集める小学校のチャリティで誰かが殺されたというシーンから始まります。また、小学校でレティーナの娘の首をしめたのはジギーなのか?この地域に越してきたジェーンに起きた事件の犯人は?などといったことを思わせられながら話は進みます。ただミステリーといっても重くならない感じで描かれているので、その点もオススメポイントです。

3. 見てていいなーと思わせるシーンがたくさん

海沿いに住む地域が舞台なので、海がよく出てきてまーその雰囲気が良いこと。オープニングの雰囲気も最高です。全員ではないけど、富裕層のマデリン、セレステ、レナータの家がでてきて、うっとりさせられたり、金持ちではないけどボニーのヒッピー的な暮らしもいいなーと思ったり。ジェーンが息子ジギーに対して愛情深く接しているシーンとか、母親たちの友情がセックスアンドザシティの友情と通じる感じがあって共感を覚えたり。ドラマの合間に出てくるジェーンの回想が何が起きたのか?といったことを知りたくなったり、印象に残り、惹き込まれるところがたくさんあります。

シーズン2も公開されましたが、まだ残念ながら見れてません。
セックスアンドザシティが好きだった人は面白いと思うので、おすすめです。
続きが気になるので時間があるときに見れたら良いなと思ってます。



2019年9月2日月曜日

ここ最近で1番面白いドラマ「マインドハンター」

ここ最近、これだ!っていう海外ドラマがなかったのですが、ひさびさにはまったドラマがこの「マインドハンター」です。

シーズン1は2017年に公開されたのですが、最近やっとマインドハンターのシーズン2が公開されました。

内容は、動機が不可解な殺人事件がでてきた1970年代を舞台に、FBIの捜査官が新たな操作方法を確立するためにシリアルキラーにインタビューしていくというもの。「マインドハンター FBI連続殺人プロファイリング班」という本がベースになっています。(こちらの本もドラマ見た方にはおすすめです。)

以下にこのドラマの素晴らしい点をあげてみました。

1. 実際におきた殺人事件と実在する殺人犯

主人公のホールデンと先輩の捜査官ビルがシリアルキラーにインタビューして操作に役立てるということのきっかけになったのが、エド・ケンパーという殺人犯にインタビューをしたことなんです。そして、そのエド・ケンパーっていうのが実在する殺人犯なのです。ドラマ内でも、彼がどのような家庭環境でそだったのか、殺人の手口や動機などがこのエド・ケンパーの口から語られるシーンが出てきます。それ以外にも、有名な殺人犯がでてきます。扱われる事件も実際に起こったもの。ドラマ内の殺人犯と実際の殺人犯の写真を比べてみると、ドラマ内で出てくる殺人犯たちが本当に似ていて、感動を覚えるくらいです。
ドラマ内で人が殺されるシーンなどは酷い描写はないのですが、殺人犯やホールデンたちから語られる殺人事件やドラマ内でチラリと写る写真は極めて凄惨で、それが実際にあったものだと思うと、なんでこんなことを起こすのだろうとかなり興味をかきたてられます。

次のシーズンでも有名殺人犯が出てくることでしょう。

ドラマではインタビューだけでなく、地元警察に頼まれて事件解決のためにプロファイルする様子も描かれています。犯人がどんな人物かを話し合う様子がみてて気持ちいい。こんな風にわかったら最高だなと思ってしまいます。

2. 役者の演技の上手さ

主人公のホールデン演じるジョナサン・グロフも素晴らしいのですが、このドラマはその先輩捜査官ビル・テンチを演じるホルト・マッキャラニーがいたからここまで面白いものになってると思ってます。特にコミュニケーションがうまくとれてる演技とか、ホールデンと違って大人な性格が前面に出てる感じが丁寧に描かれていて、ドラマをみてる人はホールデンではなくビルの方に共感を覚えるのでは?と思ってます。年齢的にも若くなく、こんな素晴らしい俳優さんがいままで主演を演じてないなんて!!と思わずにはいられません。
シーズン2では、ホールデンではなくビルに焦点があてられていて、仕事と家庭の問題の両立に苦悩して、さらに面白くなってます。

Youtubeでマインドハンターのキャストがインタビューに答えている動画をみたことがあったのですが、その中でジョナサン・グロフがこの役のオーディションにいく時に監督のデヴィッド・フィンチャーのオーディションへのTipsみたいので言われたのが、1. 額を動かすな(欧米の人が驚いた時に眉毛をあげて額が動くような仕草)、2. まばたきをするな、3. 語尾を上げるな というものだったのらしく、それを応用して行ったと言っていました。デヴィッド目・フィンチャー監督は大げさな演技じゃなくて、抑えられた静かな演技で魅せることができる役者さんを期待しているのかなと思いました。

3. 音楽や撮影方法全てが完璧

ドラマの中で流れる音楽が緊張感を与えてたり、そのシーンにマッチしているのです。このドラマの設定が70年代なのですが、キャストの服やメガネや、風景も違和感がありません。シーンの一つ一つの完成度が高く、全てじっと目を凝らしてしまいます。
ビル・テンチ役のホルト・マッキャラニーもインタビューの中で、普通のテレビドラマだったらTV局主導で、丁寧に作り込む時間がないけれど、Nextflixは監督主導でそこがこのドラマのクオリティーが高い理由だと言うことを言っていました。

まだ見たことがない人はかなりオススメのドラマなのでぜひ見ていただきたいです。